これまでのこと~「おいしいアジア怪しい食の旅」と、初めての園芸料理~

ツイッターで、地面に穴を掘り、そこでたき火をして、食材を埋めて調理をするポリネシアの調理法を日本で再現してみたというツイートが目に入った。泥水のような飲み物も振る舞われたとのこと。

 

 

それを読んで、中学生の時に読んだ「おいしいアジア怪しい食の旅」(著者:森拓也)という本のことを思い出した。

 

鳥羽水族館のスタッフとして著者が訪れた東南アジア、ポリネシアの島々の話。泥水のような飲み物は儀式で振る舞われる「カヴァ」[※1]のこと。フィリピンのデザート「ハロハロ」とそれに添えられる紫芋アイスの「ウベアイスクリーム」のこと。そして、コウモリのココナツミルク煮。遠い熱帯の島々での食べ物の話をわくわくして読んだ。

 

今思うと、遠い世界の食べ物にあこがれる原点だったのかもしれない。その後もともと花に興味はあったけれども、食べ物にも興味が出てきて、ハーブやジャガイモを庭で育てるようになった。最初にフェンネルの苗を園芸店で買ってきた。その後はたしか斑入りのパイナップルミントか、赤い花のパイナップルセージか。初めての野菜は、キュウリ (結構よくできた)と、ジャガイモだった。日当たりが悪いせいでできそこないのピンポン球ほどにしかならなかった。初めての園芸料理は、フェンネルとジャガイモのスープだった。タマネギ(スーパーで買ったもの)にコンソメをいれただけのもの。正直あまり美味しいとは言えなかったが、フェンネルの清涼感はそれまで味わったことのないものだったので、とても満足した。

 

パイナップルミントは、レモンバームも加えてお湯を注いでハーブティーにした。レモンバームはとても気に入ったものの、無農薬のせいかアオムシなどの害虫の攻撃がすごくて抜いてしまった。

 

〇著者の森拓也さんのこと

近況が気になってググってみると、本を出版したころに、和歌山のすさみ町立エビとカニの水族館の館長として今も元気に頑張っているようです。 本の中では家族ですさみ町に移住したころの暮らしも語られていました。うらやましいなと子供ながらに思った記憶がある。このネット上で読んだページに、鳥羽水族館の館長と知り合いになって、そのまま就職、 というのがあり、そういう就職の仕方というか、「仕事との出会い方」に対して、とてもうらやましく思った。

 

僕も似たようなことを思った時期があった。静岡、伊豆にある「熱川バナナワニ園」だ。高校生の時に「熱帯植物天国と地獄」(著者:清水秀夫)という本を読んで、珍しい植物と関わる生き方がしたいと強く思うようになった(ちなみにこの清水さんも、当時の園長とのやり取りの中で就職したような話があった)。

 

高2になる春休みに、JR在来線乗り放題の18切符を使って、伊豆の熱川まで福岡から行ってきた。行きは朝5時ごろ出発し、下関、 岡山、網干、米原、大垣、名古屋と幾度となく普通電車を乗り換えて、夜九時頃に豊橋に到着。ホテルに1泊した。 翌朝豊橋を出発し、昼前に伊豆熱川に着いた気がする。著者には会えなかったけれど(勇気がなかった)、駐車場整理のおじちゃんになぜか「就職したい」と話をした。おじちゃんからは「高校卒業したらおいで」 みたいなことを言われたような気もするが、あまり覚えていない。

 

もし実家が首都圏か静岡にあったならば、植物園に頻繁に通って森拓也さんのような展開になったかもしれない。ただ、僕にとっては伊豆は遠かった。18切符で行ったせいでもあるけど、とても遠く感じられた。その後、 大学進学を期に伊豆よりもっと遠い東京に出てきてしまうのだけれど、当時の僕は、 実際に行ってみたことで、伊豆をとても遠くに感じてしまい、 この植物園への就職というのは大学受験などでうやむやになってしまった。

 

[※1] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%B4%E3%82%A1

 

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